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Stripeアカウント閉鎖からGitHub Sponsors成功まで:AI画像サービスの決済問題解決記録

AI生成画像を無料で提供する「Free Images」を運営していたある日、Stripeから一通のメールが届きました。

カードネットワークパートナーの制限により貴社アカウントのサポート継続が困難となりました

この記事は、突然の決済手段喪失から、GitHub Sponsorsで支援を受け付けられるようになるまでの2日間の記録です。同じような問題に直面している方、特にAI関連サービスを運営している方の参考になれば幸いです。


Free Images は、AI生成画像を無料で提供するWebサービスです。誰でも自由にダウンロードして使える画像を提供し、運営費用をまかなうためにStripeの支援リンクを設置していました。

ビジネスモデル:

  • 画像配布:完全無料
  • 運営費:任意の支援(Stripe Payment Links)

2026年2月13日、Stripeから以下のメールが届きました:

お客様のビジネス「Free Images」(Stripe アカウント ID: xxx) に関する追加情報をご提供いただきました。

審査が無事に完了しましたので、Stripe で決済処理を継続していただけます。

(数時間後)

誠に心苦しいのですが、貴社のビジネスについて再度確認させていただきました結果、カードネットワークパートナーの制限により貴社アカウントのサポート継続が困難となりました。

本決定は最終的なものであり、詳細情報の提供や再審査も叶いませんことをご理解賜りたく存じます。

一度は承認されたものの、数時間後に覆される。しかも「最終的な決定」「再審査不可」という強い表現。これは想定外の事態でした。


2:「カードネットワーク制限」という壁

Section titled “2:「カードネットワーク制限」という壁”

最初は「Stripeに何か説明すれば解決するだろう」と考えていました。しかし、問題はもっと深刻でした。

決済の階層構造:

お客様
Stripe(決済代行業者)
Visa/Mastercard(カードネットワーク)← ★ここが拒否した
カード発行会社
銀行口座

Stripeではなく、その上のレイヤーであるVisa/Mastercardなどのカードネットワークが制限をかけていたのです。

なぜAI画像生成が拒否されたのか

Section titled “なぜAI画像生成が拒否されたのか”

推測される理由:

  1. 新しい技術への警戒

    • AI画像生成は2022年頃から急速に普及した新しい分野
    • カード会社のリスク評価基準が未整備
  2. 「画像サイト」への警戒

    • 過去に成人向けコンテンツなどの問題サイトが多数存在
    • 「画像」というキーワードだけで自動的に高リスクカテゴリに分類された可能性
  3. 著作権リスク

    • AI生成コンテンツの著作権は法的にグレーゾーン
    • 訴訟リスクを避けたいカード会社の判断
  4. ビジネスモデルの不透明性

    • 「無料配布 + 任意の支援」は対価が不明確
    • マネーロンダリングリスクと判断された可能性

さらに悪いことに、同じA銀行口座に紐付けていた別のアカウント「Indigo Works」も審査保留状態になりました。

影響範囲:

  • ❌ Free Images(閉鎖)
  • ⚠️ Indigo Works(審査中・一時停止)

試した方法:GitHub Sponsorsに直接申請

Section titled “試した方法:GitHub Sponsorsに直接申請”

GitHub Sponsorsなら、「オープンソース開発者への支援」という明確な文脈があるので通るかもしれないと考えました。

「変えられない情報(名前、住所、生年月日)はそのままに、変えられる情報を変える」という戦略に切り替えました。

変更した要素:

  • ✅ 銀行口座:A銀行 → B銀行
  • ⚠️ 電話番号:変更なし
  • ⚠️ メールアドレス:変更なし(indigo165e83@gmail.com
  • ⚠️ 名前、住所、生年月日:変更不可(虚偽申告になる)

すべてのStripe Connectアカウントを削除してから24時間待ち、新しい銀行口座で再申請しました。

結果:成功!

GitHub Sponsorsのダッシュボードに緑色のメッセージが表示されました:

🎉 Your GitHub Sponsors profile was approved and is now public!

なんとか成功しました。


仮説1:銀行口座が重要な照合要素

Section titled “仮説1:銀行口座が重要な照合要素”

B銀行は過去の問題アカウントと紐付いていない「クリーンな」口座でした。Stripeのリスク評価において、銀行口座情報の重要度が想像以上に高かった可能性があります。

通常のStripe申請とGitHub Sponsorsでは、審査フローが異なります:

通常のStripe:

個人/企業 → Stripe → カードネットワーク

GitHub Sponsors:

個人 → GitHub → Stripe Connect → カードネットワーク
★GitHubの信頼性が加味される

GitHubというプラットフォームの信頼性が、審査にプラスに働いた可能性があります。

要素Free Images(拒否)GitHub Sponsors(承認)
プラットフォーム独自サイトGitHub
カテゴリ「画像サイト」「開発者支援」
ビジネスモデル無料配布 + 支援オープンソース支援
信頼性不明GitHubが保証

「AI画像サイト」より「オープンソース開発者への支援」の方が、カードネットワークにとって受け入れやすいビジネスモデルだったと推測されます。


承認後、以下の設定を行いました:

自己紹介文:

I’m creating and maintaining Free Images, a project that provides free AI-generated images for designers, developers, and creators worldwide.

Your support helps me cover server costs, create more free content, and develop new features.

支援ティア設定:

  • $1/月 - コーヒー1杯分の支援 ☕
  • $5/月 - コンテンツ作成の支援 🎨
  • $3 - 1回限りの支援 🙏

GitHub Sponsorsボタンをリポジトリに表示するため、.github/FUNDING.ymlファイルを作成:

github: indigo165e83

これだけで、リポジトリに「Sponsor」ボタンが自動的に表示されます。

詳細はGitHub Sponsors公式ドキュメントを参照してください。

Free ImagesとIndigo Worksの両サイトに、GitHub Sponsorsへのリンクを追加しました。

実装例はこちらのリポジトリで公開しています。


1. 単一の決済手段に依存しない

Section titled “1. 単一の決済手段に依存しない”

今回の経験から、複数の決済手段を用意することの重要性を痛感しました。

推奨されるアーキテクチャ:

  • メイン:GitHub Sponsors
  • サブ:Ko-fi(PayPal専用モード)
  • バックアップ:PayPal直接、銀行振込

2. 新しい技術はリスク評価が厳しい

Section titled “2. 新しい技術はリスク評価が厳しい”

AI関連サービスは、カード会社の既存リスク評価基準に該当しません。そのため、より慎重に扱われる傾向があります。

対策:

  • 利用規約で著作権侵害を禁止
  • コンテンツモデレーションを実装
  • 特定商取引法に基づく表記を整備
  • プラットフォームの信頼性を借りる(GitHubなど)

3. 「ブラックリスト」ではなく「制限対象」

Section titled “3. 「ブラックリスト」ではなく「制限対象」”

Stripeからの拒否は、「犯罪者」や「詐欺師」のようなブラックリストではありません。

正確には:

  • ❌ ブラックリスト(永久的・全サービスで拒否)
  • ✅ 制限対象(特定のビジネスモデルが基準に合わない)

時間と条件次第で、将来的にStripeを使える可能性もあります。


現在のFree Imagesの支援受付体制:

メイン:GitHub Sponsors

  • プラットフォーム:GitHub
  • 決済処理:Stripe Connect
  • 銀行口座:B銀行
  • 手数料:0%(GitHubが負担)

将来の拡張:

  • Ko-fi(PayPal専用モード)
  • PayPal直接寄付ボタン

GitHub Sponsorsで支援を受ける際、個人情報は保護されます

支援者に見える情報:

  • ✅ GitHubユーザー名(indigo165e83)
  • ✅ プロフィール画像
  • ✅ 自己紹介文

支援者に見えない情報:

  • ❌ 本名
  • ❌ 住所
  • ❌ 電話番号
  • ❌ 銀行口座
  • ❌ メールアドレス(デフォルト設定)

詳細はGitHub Sponsorsのプライバシー設定を確認してください。


  1. カードネットワーク制限はStripeレベルより深刻

    • Visa/Mastercardが直接拒否している
    • 再審査はほぼ不可能
  2. AI関連サービスはリスク評価が厳しい

    • 新しい技術への警戒
    • 著作権の不透明性
    • 既存カテゴリに該当しない
  3. 複数の決済手段を用意すべき

    • 単一障害点を避ける
    • フォールバック戦略が重要
  4. GitHub Sponsorsは有力な選択肢

    • オープンソース開発者への支援という明確な文脈
    • GitHubの信頼性が審査にプラスに働く
    • 手数料0%
  5. 諦めずに試行錯誤する価値がある

    • 同じサービスでもアプローチを変えれば成功する可能性
    • 銀行口座を変える、プラットフォームを変えるなど

GitHub Sponsorsで無事に支援を受け付けられるようになり、Free Imagesプロジェクトを継続できています。

GitHub Sponsorsプロフィール: https://github.com/sponsors/indigo165e83

プロジェクト:

  • Free Images - AI生成画像の無料配布
  • Indigo Works - ポートフォリオ、技術ブログなどのサイト

この記事が、同じような問題に直面している方の助けになれば幸いです。

AI関連サービスを運営している方、決済手段の選択に悩んでいる方、突然アカウントを閉鎖された方。諦めずに、別のアプローチを試してみてください。

質問やフィードバックは、GitHub IssuesまたはGitHub Sponsors経由でお待ちしています。


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