12.4 IDE(統合開発環境)
Pythonプログラムは、ターミナルやシンプルなテキストエディタだけで書くこともできますが、必ずしもそうしなければならないわけではありません。 より快適で効率的な開発のために、多くのプログラマーは**IDE(統合開発環境)**を使用します。IDEとは、テキストエディタ、デバッガ、ライブラリ検索などの開発ツールを一つにまとめたGUIソフトウェアのことです。
本書では、代表的なPython向けIDEとして以下の3つが紹介されています。
12.4.1 IDLE
Section titled “12.4.1 IDLE”IDLEは、Pythonの標準ディストリビューション(公式のインストールパッケージ)に含まれている唯一のIDEです。
- 特徴: Pythonの標準GUIライブラリである「Tkinter」を基礎として作られています。
- メリット: Pythonをインストールすればすぐに使えるため、初学者が最初の一歩を踏み出すのに適したわかりやすいGUIを持っています。
12.4.2 PyCharm
Section titled “12.4.2 PyCharm”PyCharmは、JetBrains社が開発している非常に多機能でモダンなグラフィックIDEです。現在のPython開発において最も人気のあるIDEの一つです。
- エディション:
- コミュニティエディション: 無料で使用できます。基本的なPython開発にはこれで十分な機能が備わっています。
- プロフェッショナルエディション: 有料ですが、Web開発(Djangoなど)やデータベース連携などの高度な機能が追加されています(学校やオープンソースプロジェクトで使う場合は無料ライセンスが得られることもあります)。
12.4.3 IPython
Section titled “12.4.3 IPython”IPythonは、強力な対話型シェル(REPL)であり、機能豊かなIDEとしての側面も持ち合わせています(科学計算の文脈でよく使われるため、本書では付録Cで詳しく取り上げられています)。ブラウザ上で動作する「Jupyter Notebook」の基盤技術でもあります。
【補足】IPythonの便利な機能(マジックコマンド)
Section titled “【補足】IPythonの便利な機能(マジックコマンド)”(※本章の本文中にコード例はありませんが、IPythonの強力さを示す例として補足します)
IPythonでは、通常のPythonコードに加えて % から始まる「マジックコマンド」を使って、開発を効率化できます。
# IPythonを起動したターミナルでの実行例
# 1. 実行時間の計測(%timeit)# 12.10章で紹介される timeit モジュールを、インポートなしで簡単に使えます。In [1]: %timeit [x**2 for x in range(1000)]1000 loops, best of 3: 254 µs per loop
# 2. 変数情報の確認(%whos)# 現在のセッションで定義されている変数の一覧と詳細を表示します。In [2]: a = 10In [3]: b = "hello"In [4]: %whosVariable Type Data/Info----------------------------a int 10b str hello