品質リスクの評価とテスト工数の見積り
JSTQB アジャイルテスト担当者シラバスに基づき、アジャイルプロジェクトにおける品質リスク(プロダクトリスク)の評価方法と、テスト工数の見積りプラクティスについて整理します。
アジャイルプロジェクトでは、イテレーションの短さと変更の速さに対応するために、従来のリスク管理技法を改良して適用する必要があります。
品質リスク(プロダクトリスク)の評価
Section titled “品質リスク(プロダクトリスク)の評価”テストの主な目的は、プロダクト品質の問題によるリスクを軽減し、リリース前に受け入れ可能なレベルにすることです。アジャイルでは、以下の2つのタイミングで品質リスク分析を行います。
- リリース計画: ビジネス代表者がリスクの概要を規定し、チーム全体で識別と評価を支援します。
- イテレーション計画: チーム全体で、具体的なバックログアイテムに対する品質リスクを識別・評価します。
リスク分析のプロセス(イテレーション計画時)
Section titled “リスク分析のプロセス(イテレーション計画時)”チームで協調して、以下のステップで進めます。
- 現在のイテレーションの全バックログアイテムを一覧化する。
- 各アイテムに関係する品質リスクを識別する。
- 欠陥の影響度と発生確率に基づいてリスクレベルを決定する。
- リスクレベルに応じてテストの範囲を決定する。
- 各リスクを軽減するための適切なテスト技法を選択する。
リスクが高いタスクほど早く開始し、より多くのテスト工数を割り当てます。
コンテンツとリスクに基づくテスト工数の見積り
Section titled “コンテンツとリスクに基づくテスト工数の見積り”アジャイルチームでは、テスト工数を含めた全体の見積りに、合意に基づく技法であるプランニングポーカーを頻繁に使用します。
見積りの進め方
Section titled “見積りの進め方”- ストーリーの検討: プロダクトオーナーがストーリーを説明し、見積り担当者(開発者・テスター)が質問を通じて詳細を理解します。
- 見積り要素: ストーリーの複雑度やリスクレベル(テストの範囲)が、見積りに大きな影響を与えます。
- カードの公開: 担当者が非公開でカード(フィボナッチ数列など)を選び、全員同時に公開して議論を行います。
プランニングポーカーのメリット
Section titled “プランニングポーカーのメリット”- 相互理解の深化: 議論を通じて、実施すべき作業についてチーム全体の理解が深まります。
- 正確性の向上: 異なる視点を持つメンバが合意形成を行うことで、より正確な見積りが可能になります。
- 不確実性の反映: フィボナッチ数列を使用することで、ストーリーの規模が大きくなるほど不確実性が増すことを考慮できます。