問題21:経験ベースのテストが有効な状況
問題 #21
Section titled “問題 #21”経験ベースのテスト(experience-based testing)を最もよく説明している記述はどれか?
- a) テスト担当者が経験豊富で、テスト対象システムについて十分な知識を持っている場合、ドキュメントの品質に問題がある場合やプロジェクトのスケジュールが厳しい場合には、経験ベースの技法はより形式的な技法の有効な代替手段となる。
- b) 経験ベースの技法は、適切な形式的技法がない場合や、それらを使用するのに時間と労力がかかりすぎる場合に、一般的に使用されるべきである。
- c) 経験ベースの技法はテスト担当者の知識と経験に依存するため、テスト担当者がどの領域でより多くのテストが必要かを知っていることから、カバレッジを向上させるために使用できる。
- d) チェックリストを使用する場合、経験ベースのテストはより体系的かつ効率的になり、ブラックボックステスト技法に取って代わることができる。
a) テスト担当者が経験豊富で、テスト対象システムについて十分な知識を持っている場合、ドキュメントの品質に問題がある場合やプロジェクトのスケジュールが厳しい場合には、経験ベースの技法はより形式的な技法の有効な代替手段となる。
この問題は、JSTQBにおける「経験ベースのテスト」の位置づけと、適用すべき正しいコンテキストを問う設問です。
- a) 正解。 テスト担当者がテスト対象システムについて十分な経験と情報を持っている場合、経験ベースの技法はより形式的なテスト技法の代替肢として使用できます。通常、これは「時間的プレッシャーがある場合」や、「ドキュメントの品質が低い、あるいは存在しない場合」に当てはまります。
- b) 不正解。 経験ベースの技法は形式的なテスト技法が使用できない場合に使用「できる」のは事実ですが、それが唯一の状況ではありません。JSTQBでは、可能な限り形式的テストを「補完」するために使用されるべきであるとされています。
- c) 不正解。 経験はテスト担当者が「どこを重点的にテストすべきか」を決定するのに役立ちます。しかし、経験ベースの技法は非形式的(インフォーマル)な性質を持つため、カバレッジの測定が常に可能とは限らず、これらの技法が必ずしもカバレッジを向上させるとは断言できません。
- d) 不正解。 チェックリストを使用することで、経験ベースのテストをより体系的かつ効率的に行えるようになるのは事実です。しかし、要件としてブラックボックステスト技法の使用が求められている場合、経験ベースの技法で完全に取って代わることはできません。この選択肢は部分的には正しいものの、設問は「最もよく(BESTに)説明している記述」を求めているため、正解とはなりません。
JSTQB AL TA試験における「経験ベースのテスト(探索的テストやエラー推測など)」の鉄則を押さえておきましょう。
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最大の適用トリガー(選択肢a):
試験問題において、 「ドキュメントが不十分(または無い)」「スケジュールが厳しく時間がない」 というキーワードが出たら、真っ先に経験ベースのテストが正解の候補となります。 -
「代替」と「補完」の違い(選択肢b, d):
原則として、経験ベースのテストはブラックボックス技法などの形式的なテストを 「補完(Complement)」 するものです。
ただし、「時間がない・仕様書がない」という極限状態においてのみ、一時的な 「代替手段(Alternative)」 として機能します。何でもかんでも置き換えられるわけではない点に注意が必要です。 -
カバレッジの罠(選択肢c):
経験豊富なテスターは重大なバグを見つけるのが得意ですが、それが「カバレッジ(網羅率)を向上させる」と同義ではありません。
カバレッジはあくまで「全体の何%を実行したか」という定量的な指標であり、手順書のない経験ベースのテストでは正確な計測が困難であると定義されています。
“BEST” を選ぶ問題の難しさ
選択肢(d)の解説にあるように、JSTQB Advanced Levelの試験では「一見すると間違っていないが、より最適な選択肢が他にある(BESTではない)」という引っかけがよく出題されます。 「例外なく当てはまるか?」 という視点で選択肢を吟味する癖をつけましょう。