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問題25:品質特性の焦点(外貨両替アプリケーション)

あなたは、外貨両替取引を処理する新しいアプリケーションをテストするプロジェクトに取り組んでいる。計算と送金を処理するソフトウェアの多くは、3年以上にわたって使用されてきた類似のアプリケーションから再利用されている。ユーザーエクスペリエンスを向上させ、グラフィカルな情報をより良く表示するために、いくつかの新しい機能が新しいアプリケーションに追加される予定である。

ユーザーはこれらの新しい側面の定義に完全には関与しておらず、その結果、新しい機能は開発者の期待(想定)に従って実装されてしまった。

テストアナリストとして、新しいアプリケーションをテストする際、以下のどの品質特性に「最も」焦点を当てるべきか?

  • a) 機能正確性(Functional correctness)
  • b) 機能完全性(Functional completeness)
  • c) 置換性(Replaceability)
  • d) 回復性(Recoverability)

b) 機能完全性(Functional completeness)


この問題は、プロジェクトの状況(コンテキスト)からリスクを分析し、ISO/IEC 25010の品質特性のうちどれを最優先でテストすべきかを判断する力を問うています。

  • a) 不正解。 金額計算など、正確で精密であるべきコア機能は「3年以上にわたって使用されてきた類似のアプリケーションから再利用」されています。つまり、既存の計算ロジックに関する「機能正確性」のリスクはすでに低い状態にあるため、メインの焦点にはなりません。
  • b) 正解。 新しい機能が実装されるにもかかわらず、ユーザーがその定義に十分に関与していないため、「ユーザーが本当に必要としている機能が欠落している(機能完全性の欠如)」というリスクが非常に高くなります。必要な機能の一部が実装されていない可能性に焦点を当てるべきです。
  • c) 不正解。 置換性は「移植性(Portability)」のサブ特性ですが、今回のシナリオにおける「新しいUI機能の追加とユーザー定義の不在」という課題とは全く関係がありません。
  • d) 不正解。 回復性は信頼性(Reliability)のサブ特性であり、通常はテストアナリスト(TA)ではなくテクニカルテストアナリスト(TTA)の担当領域となります。また、このシナリオの主な懸念事項でもありません。

JSTQB AL TA試験において、品質特性(ISO/IEC 25010)の問題は必ず出題されます。以下の視点を持って問題文を読み解きましょう。

  1. 「再利用されている」というキーワードの裏の意味:
    既存コードの再利用は、「その部分の 正確性(バグの少なさ) は担保されている」というサインです。これにより、テストの焦点を「正しく動くか(Correctness)」から別の特性へシフトさせることができます。
  2. 「機能完全性」と「機能適切性」のリスク: 問題文の「ユーザーが要件定義に関与しておらず、開発者の想定で推し進めた」という状況は、典型的な「作ってはみたものの、ユーザーがやりたいことを網羅していない」というリスク(機能完全性の欠如)や、「ユーザーの目的に合っていない」というリスク(機能適切性の欠如)を生み出します。
  3. TAとTTAの担当領域の区別: 選択肢(d)の解説にあるように、JSTQBでは役割分担が明確です。
    • テストアナリスト(TA)が注力する特性: 機能適合性(完全性、正確性、適切性)、使用性(ユーザビリティ)、相互運用性など。
    • テクニカルテストアナリスト(TTA)が注力する特性: 信頼性(回復性など)、性能効率性、セキュリティ、保守性、移植性(置換性など)など。

機能適合性の3つのサブ特性の違い

  • 機能完全性 (Completeness): ユーザーがやりたいこと(機能)が「すべて揃っているか?(漏れがないか)」
  • 機能正確性 (Correctness): 実装された機能が「正しい結果を出すか?(計算ミスなどがないか)」
  • 機能適切性 (Appropriateness): 実装された機能が「ユーザーの目的達成に役立つか?(使いものになるか)」