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4.8 互換性テスト (Compatibility Testing)

「互換性テスト(Compatibility Testing)」 の主な目的は、同じハードウェアやソフトウェア環境を共有している他の製品、システム、コンポーネントと競合することなく、システムが要求された機能を実行できる度合いを評価することです。

JSTQB v4.0シラバスにおいて、互換性はISO/IEC 25010品質モデルに準拠した独立した品質特性として整理されました。これにより、従来は「移植性」に含まれていた 「共存性」 と、かつて「機能適合性」の一部であった 「相互運用性」 の2つが互換性の副特性として統合されています。テクニカルテストアナリスト(TTA)は、システムが孤立して動くのではなく、エコシステム全体の一部として正しく協調できるかを検証します。


互換性を構成する2つの副特性とテスト

Section titled “互換性を構成する2つの副特性とテスト”

シラバスでは、互換性を以下の2つの側面(副特性)に分解してテストアプローチを定義しています。

共通の環境やリソース(メモリ、CPU、ディスク空間、ネットワーク帯域など)を他の独立したソフトウェア製品と共有している状況において、互いに悪影響(パフォーマンス低下や異常終了など)を与えずに動作できる度合いを検証します。

  • テストの視点: テスト対象のシステムをインストール・実行した際に、同じ環境に元から入っている他のアプリケーションが正常に動き続けられるか、また逆に他のアプリケーションが動いている状態でテスト対象がリソースを奪い合わずに安定して動作できるかを確認します。

2. 「相互運用性 (Interoperability)」

Section titled “2. 「相互運用性 (Interoperability)」”

2つ以上のシステムやコンポーネントが、互いに情報を交換し、その交換された情報を正しく解釈して利用(処理)できる度合いを検証します。

  • テストの視点: システム間のインターフェース、通信プロトコル、データフォーマット(JSON、XMLなど)の整合性を確認します。APIテストやデータ交換のシナリオが中心となり、送受信されたデータが文字化けやデータの欠落なく正しく相手方に伝わり、処理されるかを評価します。

テクニカルテストアナリストとしてのアプローチ

Section titled “テクニカルテストアナリストとしてのアプローチ”

互換性テストにおいて、TTAは以下の技術的要素やリスクを管理する必要があります。

  • 接続トポロジーと環境の網羅: 現代のシステムは、クラウド、オンプレミス、サードパーティサービスなどが複雑に絡み合っています。TTAは、相互運用性を検証するためにシステム間の接続関係(トポロジー)を明確にし、データがどのルートを通るかをモデル化してテストを設計します。
  • 共通リソースのモニタリング: 共存性テストを実施する際は、リソースモニタリングツールを使用して、メモリの競合(共有メモリの不正な書き換え)、ファイルロックの競合、ポートの衝突(同じポート番号の奪い合い)が発生していないかを詳細に分析します。
  • 標準規格の遵守(コンプライアンス): 異なるベンダーのシステム間で相互運用性を担保するためには、業界標準の通信プロトコル(REST、GraphQL、gRPCなど)や、データ標準が正しく実装されているかをスキーマ検証ツールなどを用いて厳格にテストします。